『黒船』を聴きながら2017年05月17日 23:55

「200年の眠りを覚ましたペリー来航。そして翌年日米和親条約が結ばれ、日本はいわゆる鎖国から開国へと政策を転換していきます。
しかし開国をきっかけに政治、経済、社会、これが大きく変化し、新しい時代に向けた変革がはじまっていきます。まさに幕末の動乱です。
今日はこの幕末の動乱期の政治、経済、社会の面を勉強していきましょう。」

「1867年の12月、王政復古の大号令によって260年以上つづいた江戸幕府に代わって、天皇を中心とする新政府が樹立されました。この新政府の成立および新政府が行った諸改革、これを明治維新といいます。
今日は新政府の国内統一への過程や身分制の改革、文明開化、そういったものを見ていきましょう。」

これらはNHK高校講座 日本史 『開国』『明治維新』を担当された藤木正国先生の口上です。テンポがいいですね。

“戦後”と表現される現代社会のことを考えていたら意識は次第に戦中、戦前と時代をさかのぼって行きました。平成から昭和、昭和から大正・明治、そして幕末の動乱期まできて一応の区切りがつきました。
欧化政策、憲法発布、議会制民主主義の成立といったものを歴史として知ることは割と簡単ですが、当時の人に自分を置き換えて思考を巡らそうとするととたんに難しくなってきます。

幕末のあたりの勉強をしていたら思い出したようにサディスティック・ミカ・バンドの『黒船』を聴きたくなりました。
黒船:サディスティック・ミカ・バンド
黒船-サディスティック・ミカ・バンド

久しぶりにレコードに針を落としたのですけど、すばらしい楽曲が詰まったアルバムです。


世界史的に見た場合、日本は良くも悪くも非西欧世界で最初に西欧化されたというユニークな経歴を持つこととなりました。それは昭和20年8月15日を境に敗戦国として再出発したとしても、またどんなに国力が上がろうが下がろうが歴史的事実として揺るぎないものです。

日本の国際的役割とは一体なんでしょう。
非西欧世界と西欧世界を結びつける役割を日本は歴史的に持っているはずです。たとえば中東諸国と欧米世界との間でどちらの考えも分かり合え、そして両側の仲介ができるのは日本だと思考することは十分妥当なものです。妥当などという控えめなものではなく、歴史的に形成された重要な役割であると胸を張って言い切るのが相応しいかもしれません。

開発独裁といった言い方があるように経済的に豊かになればどんな政治体制でも良いみたな世界になりつつあります。
こうした流れに対し、経済的な豊かさを達成するのと併行して政治的な民主主義を達成することは可能なことであり、それは非西欧社会でもできるもので、日本がまず最初にやってきました、と自信を持って発信します。

日本が率先して国家間の政治的な橋渡しを担っていく。世界から期待されているのはまさにそこではないでしょうか。そして非常に心強い後ろ盾になってくれるのが日本国憲法第9条と言えましょう。
東京オリンピックまでに憲法9条を変えるというのは滑稽な話です。


ところで、少し前は道徳授業の話で持ち切りでした。
道徳教科書で「パン屋」を「和菓子屋」に書き換えたら検定合格したと伝えられました。
教育勅語を教材に使う話がありました。教育勅語が編み出されたころは欧化政策を進めていたはずです。和菓子というよりはパンを食べましょうといった風潮の時代です。
行政の劣化、とくに教育行政の劣化だけは避けなければ・・・。

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