「糖質制限」論争を語る以前にこれはちょっと変だと気付いた2017年10月03日 23:30

糖質制限という言葉が普通名詞として使われるようになってきました。痩身テクニックとして糖質制限ダイエットを実践し4ヶ月で10kgくらいの減量に成功したという人は少なくないと思います。過剰摂取が原因で脂肪太りになっているなら糖質摂取を減らすことで体重減少に向かうことはほぼ確実です。
東洋経済ONLINEに高雄病院理事長 江部康二医師の論考が掲載されています。
「糖質制限」論争に幕?一流医学誌に衝撃論文 | 東洋経済オンライン

一部引用。
=== ここから ===
『ランセット』といえば、医学界では知らない人のいない権威ある医学雑誌である。そのオンライン版に掲載された論文が話題を呼んでいる。
要点をいうと、「炭水化物の摂取量が多いほど死亡リスクが高まり、脂質の摂取が多いほど死亡率が低下する」という内容。「脂質をなるべく減らしましょう」という日本の従来の健康常識を真っ向から覆す研究報告であり、波紋を呼んでいるのだ。
=== ここまで ===

=== ここから ===
しかしながら、まだまだ一般の医師らには理解が十分進んでいないのが現状のようです。
先日も、ある週刊誌で「糖質制限ダイエットで総死亡率やがん死亡率が増える」という記事がありました。いつものように不勉強な医師による記事だろうと思って見たら、ある高名な医師のインタビューだったので驚きました。
=== ここまで ===

タイトルに『「糖質制限」論争に幕?一流医学誌に衝撃論文』とありますが、これで幕引きになるとは思えません。世間の認識が変わるまで論争の火種は消えないと考えるからです。
糖質を語るには脂質を語る必要があります。脂質を語ろうとすればタンパク質についての理解なしには話の進めようがありません。生物の進化を踏まえつつ栄養摂取を考察するなら地学の知識だって要求されます。
ことさら糖質のマイナス面を訴えそれが結びになっている状況には、不完全燃焼の感が拭えません。もっと掘り下げていくと面白いのに。

生化学は、糖質をはじめ各栄養素等の体の中での振る舞いを扱う学問です。レーニンジャーストライヤーハーパーといった生化学教科書は十分読み応えがあり大学講義でスタンダードになっていますが、実際に開くのはかなりハードルが高いかもしれません。


お手軽な本が発売されました。
「代謝」がわかれば身体がわかる (光文社新書) | 大平 万里 | Amazon

「代謝」がわかれば身体がわかる (光文社新書)

一般向け新書なので端折っている部分はありつつ、しかし開けばページ数420はかなりのボリュームです。健康がらみの通販商品について冷静な判断が可能となるだけの内容は担保されています。

と、気取った文章を書いて本の写真を貼ったところで、ちょっと変だと気付きました。
本を横に寝せて撮影し、それをフォトショップで反時計回りにしたのが上の写真です。どうみても不自然です。
撮り直すのも面倒だからそのままにします。